真っ当な大人の態度
◆「多すぎる証人」
▼あらすじ
とある団地で殺人事件が起きた。
たまたま、ママさんバレーのメンバーが犯人らしき人物を目撃したのだが、
全員の証言がそれぞれ微妙に食い違っていて……。
▼感想
探偵役は脳性マヒの十四歳くらいの少年・岩井信一。
知り合いの刑事から事件の話を聞いた彼が、カナタイプで
答えを書くという〈安楽椅子探偵もの〉です。
証言が食い違ったのはなぜなのか?
そして、被害者の男が死の直前、ママさんバレーに参加していた
妻に子どもを頼むといった意味の言葉を遺したのはなぜなのか?
信一は、食い違う発言を照らし合わせ、そこに法則性が
あることを見抜き、犯人特定の論理を導き出します。
物語の結末は、時代劇の人情裁きを彷彿させ、普通なら陳腐に感じる
ところですが、障害を持つ信一が探偵役を務めていることで重みと
説得力を与えています。
良識ある大人が子どもに向ける温かな眼差し。
そして、上質なユーモアに包んで提示される社会的な問題意識。
ニヒリズムやシニシズムに淫しがちな日本人には珍しい、成熟した作風です。
ナイスセレクト。
とっても上質な,4編の短編推理小説が掲載されてます。 たぶん元本は「子供向け」じゃないんだろうけど,こういうのがどんどん 出てきてもいいんじゃないかな。 幽霊や探偵って,子どものときからわたしも大好きなジャンルだったから。赤木かん子さんは まあよくぞこんなにいろんな作家さんを知ってるなぁ と感心するくらい,ほんといろいろ知ってます。 それも自分が読書好きだから,小さい友達にも自分が素敵だなと思った本や 作品を,紹介したいんだよね。 すべての本読みがそうじゃないかもしれないけど,いい本を読んだときは 他人にも薦めたくなるよな。 じゃあ…って読んでくれる人は少ないけれど。 この中でも気に入ったのは 1話目の「十五人の殺人者たち」と2話目の「9マイルは遠すぎる」 ですね。 うわ〜,また気になる作家が増えてしまった! とりあえずこのリトルセレクション制覇を。 あと30冊くらいあるようで…うれしい悲鳴です。
ポプラ社
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