すれっからしの怪異録
よく怪談のリアリティということがいわれるが、そんなことを考えるまでもなく怪奇な事実譚の集積として読めてしまったというのが、この本の読後感である。世の中のもうひとつの姿に触れたという気がする。著者は醒めた視線で見聞きしたことを報告している。気張ることもなく、書き込むところは書き込み、流すところは流している。 怪談について造型の深い著者だけに、記述にあたっての「書き込み」と「流し」のメリハリが、偶然の産物とは思われない。世の中に転がる怪異がきれいに整頓できるものではないことを、記述態度そのもので示しているのではないか。それが凡百の怪談に飽きたすれっからしの読者に向けたメッセージとも感じられた。
怪談のバラエティ
ずいぶんバラエティに富んだ話が載せられていると思いながら読んだ。息を呑むような話、皮肉っぽい話、ちょっと笑ってしまう話、しんみりする話……。「案内」というタイトルだけど、もちろん読み物集。著者もまえがきで書いているけど、扱っている対象が物件なんだから、野次馬が集まったりしたらまずいものね。でも、それにしては所在地が可能なかぎり明記してあるのがこの本のミソ。わかる人にはわかるとしかいえないけど、明らかにあそこじゃない!て友達と話題になってます。
小池版、怖い話集成
ホテル、学校、会社など「場所」にフォーカスした、「本当にあった」怪談の集大成。この手の本は、つくりものや、噂の域を出ない話も多いが、筆者の直聞による信頼性のおける話の数々に思わず引き込まれてしまう。但し、「物件案内」とありながら、所在地等が明らかにされておらず、実際に読者が探訪できない点で不満が残るが、日本という風土を考えると仕方ないであろう。
同朋舎
心霊写真 不思議をめぐる事件史 (宝島社文庫) 黒本―平成怪談実録 (新潮文庫 ふ 36-1) 文藝百物語 「弩」怖い話〈2〉Home Sweet Home (竹書房文庫) 日々是怪談 (中公文庫)
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